鳥取県文化振興財団情報誌【アルテ】

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2013January

鳥取県芸術家百華Vol.44

大学で始めた人形劇

人形劇を始めて45年くらいになります。出会いは18歳の時。大学のサークルの中で、日曜学校に行って子どもたちとレクリエーションをしていました。その延長で、4人のメンバーで2か月間、福井県を巡りながら子どもたちに人形劇・影絵・お話などを披露したこともあります。その時に1人で2時間くらい間を持たせられるように特訓しましたね。大学卒業後、帰鳥した際に鳥取市を拠点とする「人形劇団こうま座」に入団しました。

人形劇の魅力

人形劇の魅力はたくさんありますが、一番すごいと思うのは「子どもの心にすっと入っていく」ところです。“人は身なりで判断してはいけない”という教訓を含んだ「神様のお宿」を以前上演した時、普段いくら注意しても聞かない子が、劇の教訓をきちんと学んでいてお母さんが驚いたそうです。そのとき“人形劇は子どもに影響を与えるもの、プロ・アマチュア関係なく伝えたいテーマを持って真剣に行わなければいけない”と実感しました。人は実際に体験してみないと分からない

事が多いです。人形劇はそれを疑似体験させてくれるという一面も持っています。演じる側と観る側との一体感がそうさせてくれます。より多くの子どもたちに人形劇の素晴らしさを広めたいですね。
 私も来年あたりには、家族を巻き込んでお寺での上演を始めようと思っています。今の日本の人形劇は団塊の世代あたりが頑張って支えていますので、それを次の世代につないでいくのが大きな課題です。繋がりを大切にしつつ、挑戦する気持ちをもって活動していきたいですね。

3月に米子市で人形劇公演を行う“たいらじょう”について

12年ほど前、彼がまだ19歳の時に米子の幼稚園で行った公演を観たことがあります。彼は公演後に良かったところや悪かったところを盛んに訊いてきました。“自分の劇を高めたい、少しでも観客に共感してもらえる作品をつくりたい”と。向上心や意欲が凄く目がギラギラしていて、こんな若者がいるのかと驚いたことを覚えています。今回の大人向けの公演は、まず大人が人形劇に魅力を感じ、それを子どもに伝えて欲しいからじゃないでしょうか。

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