鳥取県文化振興財団情報誌【アルテ】

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2012June

鳥取県芸術家百華Vol.36

活動概要紹介~出逢いから現在~

ハンドベルとの最初の出逢いは海外でした。そこで“天使のハーモニー”と呼ばれるベルの音色に魅せられて以来、演奏活動したいという思いが長年あり、思い切ってベルを3オクターブ購入しハンドベル“クレエ”を結成しました。今年で10周年となりますが、ここまで続いてきたのは共にメロディーを奏でる仲間と鑑賞を楽しみにしてくださっている皆様のおかげです。

現在、3歳から60歳代まで5グループ(50名弱)あり、私自身も演奏メンバーの一人です。子どものグループは週に1回、大人のグループは月2回程度指導をしています。

「楽器(ハンドベル)」と「ひと」との関係~ハンドベルを通じた心の変化~

ハンドベルは全員でひとつのメロディーラインをつくります。一人でも欠けたら成立しません。始めた当初は自由気ままな子どもたちも、始めて数カ月経つと自分がいなければならないという責任感や、ひとりひとりがかけがえのない存在だという認識が生まれてきます。

また、呼吸を合わせて、音を重ねていくハンドベルを通して、チームワークや協調性も養われます。子どものグル―プ内では、年上の子が年下の子の面倒をみるなど、お互いを思いやる気持ちや行動も自然と生まれてくるようです。本番で自分の役割を忘れそうになった子のベルを他の子がさっと鳴らしてあげる瞬間を見たときは、そういった行動がとれることに驚き、感動させられました。

3歳のグループは本番でも落ち着きがないのですが、私が合図したら絶妙なタイミングでベルを鳴らしてくれます。子どもならではの感性というか感覚の鋭さにいつも驚かされます。大人のグループでは、ひとつの協同作業する喜びを分かち合い、和やかに過ごすことを楽しみに参加されている方がほとんどです。

ハンドベルの魅力~ハンドベル未体験の方へ~

ハンドベルは鑑賞される方に“心の癒し”を与え、演奏者は“みんなでひとつの音楽をつくる喜び”を味わう楽器です。ハンドベル“クレエ”では演奏技術向上よりもみんなが楽しんで音楽を作ることが大切だと考えています。ですから、本番で誰かが間違えたとしても決してお互いを責めません。お互いを認め合い、讃美することがハンドベルの考え方です。

今後はひとりでも多くの方に、ハンドベルの演奏の楽しさを知ってもらいたいと思います。趣味探しをされている大人の方も、楽器初体験のお子さんでも気軽に始めることができ、演奏する喜びをすぐに感じていただけると思います。ワークショップも定期的に開催し、実際に楽器を手に取って体験していただきたいと思っています。

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