鳥取県芸術家百華Vol.33

 岩美町岩井地区の郷土芸能である「岩井ゆかむり唄」を継承するため、指導者として子どもたちへ教え続ける渡樌芙美子さんにお話を伺いました。

踊り付き「岩井ゆかむり唄」のはじまり

 もともと「岩井ゆかむり唄」は唄のみの郷土芸能でしたが、岩井のお湯の恵に感謝しながらそれを地域で守りたいという思いや、県外に出た人などが岩井に帰ってきても、いつでもみんなで踊れる郷土芸能にしていこうとの声から、踊り付きの「岩井ゆかむり唄」は始まり、平成5年に現在の形になりました。私はその立ち上げのメンバーとして活動を始め、国民文化祭にも出演させていただきました。

地域をつなぐ「岩井ゆかむり唄」

 継続して活動していく中で、みんなの心がひとつになり、地域に一体感も生まれました。活動者たちは、岩井地区の活性化につながればと、どこにでも踊りに行く心持ちでいます。
 大人だけでなく子どもにも継承しようと岩井地区伝統文化子ども教室で「岩井ゆかむり唄」を教えるようになり、地域一体となって子どもたちを育てていく思いも持っています。

指導者として思うこと

 郷土芸能として貴重な「岩井ゆかむり唄」を継承していくことも指導者の務めだと思っていますが、実際子どもたちには伝統を受け継いで行く気持ちはあまりないかもしれません。大人になるにつれて地域の文化や伝統を守ること、その良さを広げていくことの大切さがわかると思いますので、今はいろんな場所に行き、いろんな経験ができるから踊り、楽しいから踊る。その中で、次第に地域を愛する気持ちが育っていけばと思っています。


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