鳥取県芸術家百華Vol.32

 第2回鳥取県声楽オーディションで審査員特別奨励賞を受賞され、現在は文化庁新進芸術家海外派遣制度でドイツへ渡っておられる塩崎めぐみさん。今後の活躍から目が離せない若手アーティストです。

鳥取県声楽オーディションを受けて

 オーディションの開催を知った当時、私は鳥取大学を卒業して鳥取市内で働いていました。個人的に歌のレッスンを受けてはいましたが、声楽専科で学んだわけでもなく、「鳥取県在住・出身者ならだれでも応募できるらしい。歌が楽しいし好きだし、やってみようか。」そんな気持ちでの応募でした。そこでの受賞によってステージ出演の機会を多くいただくようになったのですが、有難い半面、素人の自分が人前で歌っていいのかという悩みも生まれました。声楽オーディションをきっかけに感じた、「鳥取の皆さんのためにどう歌ったらよいだろう、鳥取の皆さんへきちんと音楽をお届けしたい」という思いが、音楽大学への進学、そして今につながっています。

ドイツでの生活

 ドイツは音楽家だけでなくいろいろな芸術家がいるので刺激もすごくあり、とても楽しいです。今は語学学校やレッスン等に通いながら、ドイツの劇場で歌えるようにオーディションも受けています。オーディションに向かうときは、正直怖いという気持ちもあります。でもそれ以上に、作曲家・作詞家の人生や歴史の重み、素晴らしい芸術に触れられる幸せ、聴いてくださる方々への感謝の思いを感じながら舞台に臨んでいます。舞台では、これらの思いを発することで、皆さんに何かしらのエネルギーを感じとっていただけたら幸せだと思って歌っています。

音楽の魅力

 音楽は人の人生であり歴史であり、言葉もまたその人の思いや人間性を凝縮させた、それぞれ素晴らしい文化だと思います。「歌」はその音楽と言葉とを伴って、それを自分という楽器で表現するもの…本当に贅沢なことをさせていただいています。
 音楽の魅力を教えてくれ、私を育ててくれた鳥取のまち・鳥取の方々にとって「明日も頑張ろう!」というエネルギーになれるような、そんな演奏のできる芸術家になることが私の目標です。


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