鳥取県芸術家百華Vol.31

 県内で幅広く演劇活動を行い、とりアート2011メイン事業「八賢伝」にもご出演された石笠勇太さんにお話を伺いました。

芸人志望から役者へ

 小学生の頃から人を楽しませることを考えている子で、中学校の文化祭でコントをしたのをきっかけに「お笑い芸人になりたい」と思うようになりました。そして高校卒業後、友人と大阪の吉本総合芸能学院(NSC)に入学し、本格的に芸人を目指しました。でも、いざ養成所に入ると、何かが違うと感じて、半年ほどで辞めてしまいました。その後、バイト仲間の演劇グループの中に入れてもらい、初めて演技に挑戦しました。初めてもらった役はサンタクロースのおじいさん。まだ覚えています。

「演じる」ことの魅力

 お笑い芸人を目指していた頃は、ただ一心に「笑わせたい」と思っていました。笑わせてナンボだと。でも、演劇の舞台を経験してからは、「ただ笑わせるだけではなく、伝えられる人になりたい」と思うようになりました。10月に出演した「八賢伝」では、弥平次という人間が、その瞬間、本当に舞台の上に存在しているようなリアル感をお客さんに感じていただけるようにと演じました。芸人はネタで、役者は役で人を笑わせます。ただ、役者は笑わせるだけでなく泣かせることも出来るし、その役が持つ様々な感情まで伝えられます。そこが演劇の魅力ですね。

今後の活動について

 正直、今回の「八賢伝」のような大規模な公演に対して壁を感じていました。でも、思い切って挑戦してみるとすごく楽しかったし、勉強にもなって。良い経験をさせていただいたと思っています。これからもっといろんな役に挑戦したいし、どんな役にでもチャレンジしていきたい。パンダの役とかいいですね。人間でも動物でも何でもやってみて、いつか自分にピッタリ合った、自分にしか出来ない役を見つけたいです。それが、パンダ役かもしれないし(笑)、違うかもしれない。これからも演じることを楽しみながら自分探しをしていきたいです。


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