鳥取県芸術家百華Vol.29

コンサート、オペラ公演などで活躍されているバリトン歌手・吉田章一さんに、音楽との出会いやこれからの夢についてお話を伺いました。

音楽との出会い

 中学1年の時、フォークギターを始めたのが音楽との出会いでした。その後も高校、大学とずっと続け、さだまさしやかぐや姫のコピーをしていました。そして、大学生の頃、単位取得のために初めてピアノを弾いたのがクラシックとの出会いで、声楽もその頃から始めました。

印象に残っている曲

 24歳の時、初めての公演に選んだのは、シューベルト「冬の旅」です。この曲は初めて好きになった曲でもあり、一番唱(うた)いたいと思った曲でした。旋律や歌詞のどこがどうではなく、初めて聞いた瞬間、身体の中に響き渡ったことを今でも覚えております。ただ、当時の声楽の先生から、『この曲はかなり難しく、初めての公演ではなかなか唱えない』と伺い、練習を重ね、なんとか公演を成功させました。今考えると、若かったから冒険できたのだと思います。

子どもたちへの思いとこれからの夢

 私は仕事上、子どもと触れ合う機会がたくさんあります。子どもたちには何でも良いので夢を持たせたいという思いで日々向き合っています。そしてその夢に向かう子どもたちを手助けしたり、くじけそうになった時に勇気づけることが私の役割だと思っています。たまに子どもたちの前で唱うと『どこからそんな声が出るの?』と目を丸くして驚くので、そんな時には、自分もたくさん努力してできるようになったことを話します。音楽に限らずどんなことでも同じで、自分も何かできると気付き、それに向かい毎日を楽しくすることが大切です。私自身もまだまだ修練し、感動を与える音楽を今後ひとりでも多くの方々に届けていきたいと思います。


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