鳥取県芸術家百華Vol.22

 県内での様々な演奏会に出演され、「とっとりの芸術宅配便」でも講師として活躍していただいている松田千絵さんに、声楽との関わりや鳥取での活動についてお話を伺いました。

声楽を始められたきっかけ

 歌はもともと好きでしたが、きっかけは中学の頃地元の演奏会で聴いたパワーみなぎる声楽を目の当たりにし、心を動かされたことです。こんなに人を感動させられる声楽は素敵だなぁと感じました。声楽は声が出れば体ひとつで誰にでもでき、わかりやすいところが魅力だと思います。今では声楽は私にとっての「生きがい」になっています。

鳥取での音楽活動について

 とっとりの芸術宅配便、アーティストオーディションなどの公的支援も以前より増え、活動環境が充実してきたことに感謝しています。しかし、鳥取に声楽を普及させるためには演奏する場、聴く場がもっと必要だと感じます。鳥取だと都会に比べて不便、不自由だと思われがちかもしれませんが、私はそうは思いません。今は都市部から指導や演奏に来てくださる方がいて、地方と都市部はつながっていると思います。また、人口が少ない鳥取にはチャンスがたくさんあり、地方だからこそのつながりもたくさんあります。これからもいろいろな人とのつながりを大切にして歌えていけたらと思います。

とっとりの芸術宅配便について

 一言で言うと「楽しい」です。一番最初に訪れたのは中学校でした。中学生という多感な時期ということもあり、その場での反応はあまりありませんでしたが、後でいただいた感想文を読み、いろいろなことを感じとってくれているんだなぁと思いました。いつもは大人を対象としているので子どもたちの感想は新鮮な気持ちになれます。普段聴衆の方と交流することがあまりないので、子どもたちの思いだけでなく、先生の視点からの意見も知ることができ、いろいろな経験を積ませていただいています。講師をするまでは「歌うこと」を中心に考えてきましたが、宅配便後の感想を読むにつれ、「伝える」ということについても考えるようになりました。芸術宅配便は子ども達にとっても講師にとっても様々な裾野を広げる役割があると思います。子どものころから芸術に触れていれば、芸術に対する敷居が低くなるので、今後もとっとりの芸術宅配便を続け、多くの子どもたちに経験してほしいです。


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