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おもてなしの心とサプライズ(財)鳥取県文化振興財団 評議員 幸形  信之

 韓国ドラマ「アイリス」のスピンオフ「アテナ:戦争の女神」のロケ地に鳥取県が選ばれたと聞いて、前回のロケ地であった秋田県への韓国人観光客の殺到と激減の波を思い出した。私の地元、植田正治写真美術館でも有名な芸能人を絡めたイベントが開催され一時的な殺到に見舞われることがある。もちろん、山陰・鳥取県への観光客が増えることは嬉しいことなのだが、さて、これらの来訪者は鳥取県の雄大な自然や人々の優しさをどれほど感じて帰路につかれただろうか。植田先生の写真の素晴らしさにどれほど触れてもらえただろうか。以前、同写真美術館の10周年記念イベント「HOMAGE(敬意)」の取り組みとして、地元のボランティア100数名を集めてHOMAGEという大きな花文字を作ったことがある。「O」の文字だけは植えずに残しておいて来訪のお客様に植えていただいた。とっとり花回廊からお預かりした約4,000ポットの青いサルビア(花言葉=尊敬)は、故植田先生への献花としてひと夏を涼しく彩った。お客様と地元ボランティアとの一体感が生じ、思い出深い旅になったと沢山のお便りを戴いたことを思い出した。アテナのロケ地めぐりが目的のお客様へ対して、おもてなしの心、サプライズの用意を忘れずに、様々な取り組みが自発的に湧きおこることが大切に思う。アテナがきっかけで、鳥取県の文化や美意識、人々の優しさを伝えることができればと思う。



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