鳥取県芸術家百華Vol.17

 伝統芸能の箏、西洋楽器、フィットネスなど様々な文化活動に目を向け、地元赤碕でカルチャースクールDoki2Waku2ステーションを経営。地元の文化向上に積極的に取り組んでおられる箏奏者小泉和子さんにお話をうかがいました。

古典芸能との出会い

 お箏を始めたのは小学校4年生の時。父が尺八を習っていて古典芸能が身近だったということもありますし、いつも一緒に遊んでいた仲の良い友人がお箏を習っていたことも大きなきっかけだったと思います。その頃ちょうどエレクトーンも習っていて、それが今、箏の編曲、作曲等、様々なところで影響しています。
 古典芸能というと敷居が高い、堅いと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、お箏もエレクトーンも言葉では伝えきれない何かを表現できるという意味では、全く同じ。私にとっては、どちらも大切なものです。

魅力を伝える

 現在、鳥取県文化振興財団の芸術宅配便をはじめ、様々な学校で箏を教える機会がありますが、その中で邦楽の古いイメージを何とか変えたい!という気持ちが強くあります。特に中学生くらいの子どもは、選曲によって関心を持つ度合いが違うので、美しい曲、かっこいい曲など色々なパターンの曲を用意して、その中から子どもが気に入って選んだ曲を教えています。そういったものは、たいてい難しい曲なのですが、子どもたちは弾けるようになるまで頑張って練習しています。
 邦楽はどうしても、難しい、間口が狭いと思われてしまうので、古典的な曲だけでなく色々な曲を聴いてもらって、箏っていいな、楽しいなと思ってもらえるような指導をしていきたいと思っています。

今後の音楽活動について

 2006年には「あかさき昔ばなし」という本を出版しました。この絵本には語りと子どもたちが物語に合わせて作曲した曲などのCDをつけています。地元の伝統的な物語、曲などを若い世代の人達に知ってもらい、それを若い人がアレンジし自分達のものにしていくということ、文化活動を通して過去と現在、未来へのつながりが出来ることはとても大切なことだと思います。古典芸能だから、田舎だからということに縛られず、自由な表現が出来る環境を時間はかかりますが、少しずつでもつくっていきたいと思います。


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