鳥取県芸術家百華Vol.16

2005年に開催された「第2回鳥取県ピアノ・オーディション」で優秀賞を受賞され、その後も、“音楽”の道を進んでいる小西繭香さんに、お話を伺いました。

ピアノを始めたきっかけ

 ピアノは4歳から始めました。「習いたい」と自分から言ったようなのですが、私自身は全く覚えてなくて、気がついたら弾いていた、という感じです。小、中学生の頃は、ピアノをやめたいと、しょっちゅう思っていたように感じます。けれども、「ここでやめたら負けだ!」という思いがどこかにあって、やめたいと言い出せませんでした。当時から負けず嫌いだったんですね。でも今はやめてなくて本当に良かったと思います。続けられたことに感謝です。

2005年「第2回鳥取県ピアノ・オーディション」について

 募集案内を見て、開催会場も鳥取で近くだし、私は本番がないと練習をしないので、自分自身の勉強のためにも受けてみようと思いました。
 優秀賞の受賞は、正直びっくりしました。本番では自分の思ったような演奏ができず、一刻も早くこの場を去りたいと思っていたくらいでした。でもオーディション終了後に、当時の県知事だった片山知事をはじめ、審査員の先生方からも声をかけていただき、少しでも私のピアノを伝えることができたのではと感じて嬉しかったです。

受賞後の音楽活動について

 もう少し音楽を勉強したいという気持ちがあり、横浜国立大学大学院に進学しました。大学院2年間での一番大きな変化は、ピアノとの向き合い方だと思います。ピアノってこんなに楽しいものなのだと、ようやく思えるようになりました。自分が音楽で表現したいこと、自分の音楽が、少しではあるけれど明確になってきたのかなと思います。同期の仲間もそれぞれ専門は違うけどみんな音楽に対する強い想いを持っていて、本当に多くのことを学ぶことができた楽しい2年間でした。
 昨年度は、東京の丸ビル35コンサートや、毎年ゴールデンウィークに有楽町周辺で行われている音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」のエリアコンサートに出演しました。自分の中で、学生時代を一つの区切りと考えていたので、社会人となった現在、また違ったスタイルで活動を続けていけたらと思っています。いずれにしても、ピアノはずっと続けていきたいと思っていますし、きっと続けていくことになるのだろうなとも感じます。

ピアノを習っている若い後進のみなさんへ、一言

 ピアノを習っている子たちは、みんなピアノの前に座って一生懸命練習していると思います。でも、たまには視点を変えてピアノと向き合ってみるのも大切だと思います。たとえばピアノの構造を知ったり、ピアノの歴史を調べたりすることで、新しい発見ができ、そこから新しい興味・関心を持つようになるかもしれません。調律師になりたい、音楽理論について学びたい、など知識が増えることで可能性は無限に広がります。ぜひ広い視野でピアノと向き合ってもらえたらと思います。


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