ハインリッヒの巻

 「1:29:300の法則」というのを耳にされたことがあるでしょうか。「ハインリッヒの法則」といい、1件の重大事故の背景に29件の軽微事故、300件の“ヒヤリ・ハット”する体験があるという労災事故に関する法則です。
 近年、重大事故に関する調査結果が多く発表されていますが、事故の要因・原因は時代や業種によって様々で、調査結果だけが全てではないと考えています。しかしながら、この法則から学ぶことは人命に関わる重大事故を防ぐためには常日頃の些細な取り組みが不可欠だということではないでしょうか。
 全国で起きた重大事故の事例として、25年前の「日航機墜落事故」や5年前の「JR福知山線脱線事故」が思い出されます。いずれも乗客の安全輸送が使命である交通機関で起こってしまった事故で、人間の記憶は時の流れとともに徐々に薄れていってしまいがちですが、事故が起きた要因を考えると今も他人事とは思えない、なんともいえない気持ちになります。
 地域の拠点を目指す倉吉未来中心もオープンから早10年を迎えようとしています。未来中心は複合施設であるため、各施設の電気・機械設備が人目に付かない空間にたくさんあります。これらの日常点検を行う上で、同じ作業からくる慣れや機器の経年劣化に起因する重大事故や軽微事故を防ぐためにも“300”の“ヒヤリ・ハット”するような小さな要因も見逃さないよう、今、私ができることを念頭に動き回っている毎日です。

倉吉未来中心 総務課施設管理担当  大本 繁雄


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