音楽を愛する人になってほしい。 いつでも心のこもった演奏を!オーケストラを育てる

クラシックで象徴的なものは、やはりオーケストラ。
多種多様な楽器、大人数が存在するオーケストラをまとめるには、
アマチュア、プロに限らず、音楽監督がいないと成り立ちません。
そこで、今回は、舞台には登場しない“影の立役者”である音楽監督に注目!!
都道府県レベルでは全国初の少年少女オーケストラで、その実力も日本一と称される
「千葉県少年少女オーケストラ」の音楽監督の佐治薫子さんを紹介します。

よい音で、よい演奏を!

 千葉県少年少女オーケストラは設立15周年を迎えました。このオーケストラは設立時より指導にあたっている佐治薫子音楽監督のもと、千葉県内に在住または通学している10歳〜20歳までの男女160名のメンバーで構成されています。
 毎年春になると20歳のメンバーが卒団し、オーディションで選ばれた30〜40人の新しいメンバーが入団します。中心的メンバーが抜けた後は大変ですが、残った子どもたちが、今度は中心となってしっかりと伝統を受け継いでいます。
 練習は基本的に週1回ですが、毎年8月下旬には演奏会があるので、その時はお盆休みを中心に、集中的に練習に取り組んでいます。
 ヴァイオリンの巨匠、アイザック・スターンの「練習とは、できるまでやること」という言葉の通り、子どもたちにも「できるまで、根気強く繰り返しやる」、それが練習だと言い続けています。挨拶の声も小さいとやり直し。挨拶は人間関係を築く基本的なマナーです。大きな声を出せない子は、楽器を演奏しても思い切った音が出せません。これも大切な練習のひとつです。
 オーケストラでは、プロになる子を育てるのではなく、人間としてどう生きるかを教えています。つまり人間教育をしているのです。何事にも最善を尽くす。音楽はごまかしがききませんから、いつでも心のこもった最高の演奏をすることが大切です。それができるようになれば、どんな道に進もうと、その世界で一生懸命努力する大人になると信じています。
 子どもたちには音楽を愛する人になってほしい。オーケストラの中で合わせることの喜びを感じとった時に、もっと音楽を好きになり、心が豊かになっていきます。そのためにも「よい音で、よい演奏を」することが大切です。
参考: ムジカ ノーヴァ 2008年9月号(音楽之友社)

千葉県少年少女オーケストラの歩み

 少年少女の豊かな音楽文化の促進とオーケストラ活動の普及を目的に、1996年に都道府県レベルでは全国初の少年少女によるオーケストラとして結成され、今年15年目を迎えました。
 演奏活動は定期演奏会、地域演奏会の他に、アメリカに友好使節団としての派遣、「日韓友情年2005」韓国公演、ヨーロッパ公演など、国内外で数多くの演奏を行い、好評を得ています。宮川彬良氏のプロデュースによる「千葉県少年少女オーケストラとアキラさんの大発見コンサート」を、2006年、07年、09年と千葉県内で開催し人気公演となっています。
 このシリーズコンサートは、今まで過去5回、千葉県内で行われてきました。この度、千葉県を飛び出して演奏するのは、この倉吉公演が初めてで記念すべき公演となります。



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