6
June
2010
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人は生きていく中で、実に多くのものに出会っています。 |
『人間の脳は、たった一度の体験から実に多くのことを学ぶものである。ましてそれが初めての体験ならば、なおさらその影響は大きなものとなる。だからこそ、何事も本物を体験することが大切となってくる。』と脳科学者茂木健一郎氏は自身の著書で述べています。 『本物』を体験する。それは芸術の分野においても言えることです。たくさんの人で埋め尽くされた大きなホールがしんと静まり返り、張り詰めた空間の中でいろいろな人格を演じる役者たちが創り出す別世界。たくさんの楽器から生み出される様々な音色が一つの美しい音楽として奏でられる生の演奏。自分の身体全体を使って直接感じる『本物の芸術』は、魂を揺さぶる大きな感動を与えてくれます。特に、毎日が新しい発見で満ち溢れている子どもたちにとって初めて体験する芸術が『本物』であれば、コンピューターの画面やテレビを通しての経験とは比べ物にならないくらい、新鮮で大きな感動を得るのではないでしょうか。 |
『感動することをやめた人は、生きていないのとおなじことである』 |
脳を刺激する体験を2つご紹介します。まずは9月に境港市で行われる人形劇「ゲゲゲの鬼太郎」。言わずと知れた境港市出身のマンガ家・水木しげるさん原作の作品です。近頃疲れ気味の鬼太郎は、ねずみ男の誘いにのって沖縄列島にある無人島、竜宮島に向かいます。美しい南国の海で楽しむ鬼太郎を突然襲った恐ろしく残酷な妖怪・バックベアード。沖縄に住む子どもの妖怪・キムジナーとシーサー、一反もめんや砂かけばばあ、ぬりかべといったおなじみの仲間とともに、鬼太郎たちと世界征服をたくらむ妖怪たちの戦いを描きます。人形劇団ひとみ座の新作です。その全国ツアーのスタートを切る公演が、水木さんご出身の境港市で行われることに何やら深い縁を感じませんか?
2つ目は鳥取市で行われる音楽の演奏会、といっても普通の演奏会ではありません。演奏するのは動物たち!指揮をするまじめでしっかり者のオカピが率いるのは、孤高のトランペッター・インドライオン、北極での演奏に限界を感じていたチューバのホッキョクグマ、さびしさを紛らわせるために始めた演奏会が大評判の四姉妹ウサギといった個性豊かなメンバーで溢れています。「名前は知らないけれど聴いてみたら知ってる曲だった!!」親子でそんな感動体験に出会えるかもしれません。全国各地で完売御礼の「音楽の絵本」、ぜひぜひお見逃しありませんように。