鳥取県芸術家百華Vol.13

15年間「ゆめっ子くらぶ」の代表として活躍されている小倉恵子さんにお話を伺いました。
インタビューの間、ずっと笑顔を絶やさず楽しそうに話されている小倉さんの姿がとても印象的でした。

「ゆめっ子くらぶ」設立のきっかけ

 きっかけは、息子です。当時、小学校4年生だった息子が、いつもテレビばかり見て過ごしていたものですから「これは何とかしなければ」と思っていたんです。そんな年の夏休み、せっかく40日も自由な時間があるのだからと勇気をふるって「お母さんと一緒に、何かつくらない?」と声をかけたのがきっかけです。私も学生時代、演劇部に所属していたことがあって、そういった貴重な経験をさせてあげたいと思ったからかもしれません。
 最初は否定されるかと思っていましたが、「いいね!」と言ってくれたその一言が始まりでした。
 「何かを一緒につくろう」と言った当初は紙芝居をつくって、祖父母の前で発表するくらいの感覚だったのですが、「そうだ、アラジンをやろう、境港のシンフォニーガーデンで!」と息子の構想はふくらみ、次の日にはクラスの友達を集めて、配役。そのうちに、当時、習っていたピアノの先生も加わり、その先生がダンスの先生を紹介してくれて…と、どんどんミュージカルのカタチができて、1995年シンフォニーガーデンで「アラジン」を公演することになりました。
 それから15年間。本当は1度きりで終わるはずだったんです。でも、近所の子どもたちが、一生懸命歌ったり、笑ったりする姿を見て、地域の方がとても喜んでくれて。
 その気持ちに応えようと公演を重ね、いまでも続いています。

「ゆめっ子くらぶ」の魅力

 現在では、子どもだけでなく大人も含め「夢を持ち続けたら必ず叶う!」という設立当初からの思いを胸に、みんなでひとつになって、一生懸命、活動を続けています。その活動がさまざまなカタチで広がって、多くのつながりができたこと。多くの人の賛同、協力を得て活動できていることが魅力の一つだと思います。
 私も子どもたちの成長を信じて待てるようになりましたし、自分自身も成長させてもらっています。そして、活動を通して、子どもたちそれぞれの“輝く瞬間”を見ることができるのも、大きな魅力のひとつです。「みんなちがって、みんないい!」という言葉を実感しますね。

今後の活動

 たくさんの試練があると思いますが、ゆっくり乗り越えて、「ゆめっ子くらぶ」を、ここから巣立っていった子どもたちの「心の故郷」と思えるところに、そして次の世代につながっていく場所にしていきたいですね。そのためにも、この活動の「人を大切にする」「ありがとう」の精神をしっかり受け継ぎ、繋げていきたいと思っています。


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