舞台さんのひとりごとVol.11

 この仕事を始めて間もないある日、「機材と友達になれた?」と尋ねられました。
当時の私にはその言葉の意味するところがわからず、「なんだそりゃ」と軽んじていたのですが、仕事をこなしていくうちに言葉の意味や、大切さが身にしみてわかってきたのです。機材の特性を理解していなくては、表現したい照明効果などを実際に作り出すことは難しく、また乱雑に扱ったり、間違った接続などしてしまえば機材は壊れてしまいます。友達の関係も同じで、その人を理解しなければ仲はこじれてしまい、一緒に遊んでも楽しくありません。機材はしゃべってはくれないので、どこかが故障していれば全く動きませんし、直して欲しい所を教えてはくれません。機材を知り、理解し、直してあげればこちらの指示に対してきちんと動いてくれます。ですが、機材とどんなに仲がよくなっても本番ではちょっとした理解不足で思い通りにならないことも…。結局は自分自身の力不足であって機材に罪はありません。仲のよい「友達」というよりも機材は私よりも「大先輩」なのだとひしひしと感じる日々です。

とりぎん文化会館 舞台技術室 竹 内 忍


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