鳥取県芸術家百華Vol.10

 絵本が好きで、読み聞かせのボランティアとしても活躍中の高橋素子さんに、絵本を通じて子どもに与える夢についてお話をうかがいました。

高橋 素子氏
米子市在住。
おはなしグループ「だくちる」のメンバーとして、小学校や保育園の子どもたちに積極的に読み聞かせを行いその人気も高い。絵本が好きで開業した「えほんやとこちゃん」は山陰では数少ない絵本や児童書の専門店。

絵本の魅力とは

 例えば、人間はあかちゃんのときから感情があります。あかちゃんに、絵を見せ言葉を重ねることで表情も変わります。絵本には人の心をやさしくする魅力があると思います。たくさんの子どもに絵本に出会ってほしく読み聞かせもしています。
 子どもは絵を読み、私はことばを読みます。読んであげることで聞いてる子どもたちは、絵本をとてもよく理解することができるのです。絵本は大人が声に出して読まないとなかなか伝わらないものなんです。

トレーニング

 読み聞かせは単に読むだけではなく、自分が本の中にはいらなければなりません。例えば、真冬の雪積もる山の中や、真夏の海中など…体力も必要なんです。楽しく読み子どもを集中させるには臨機応変に対応できる能力と体力が必要なので、定期的にボイストレーニングやエアロビに通っています。

聞かせたい

 4歳の子どもには4歳の気持ちで、10歳の子どもには10歳の気持ちになり、最高のものを与えることが必要です。読み聞かせを長くやっていますが、子どもを取り巻く環境も大きく変わっています。しかし、子どもの純な心は何も変わっていないと思います。どんなに素晴らしい作品でも、大人がちゃんとそれを「ことば」で伝えなければ、本当の作品の良さは引き出すことができません。最近若いお母さんから、「どんな絵本がよいのか?」という相談をよくいただきます。良い作品はたくさんあります。
 どんな作品でも、子どもたちが読むことで息が吹き込まれ、生きた絵本となるのです。

 おはなしグループ『だくちる』は素話(すばなし)(ストーリーテリング)、絵本、紙芝居、わらべうたなどを組み合わせてプログラムを作り、年間約100回のお話し会を実施し、米子児童文化センターを拠点に、米子市を中心とした県内外の保育園、小学校などで活動している。


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