鳥取県芸術家百華Vol.9

 平成10年に結成された『淀江町町民ミュージカル』を引き継ぎ、『ミュージカル劇団ゆめ』の代表として活躍されている黒田さんに、お話を伺いました。

黒田 昌幸氏
米子市在住。
ミュージカル劇団ゆめ代表。

ミュージカル劇団の代表になるきっかけ

 最初は、町民ミュージカルの募集を見て、手助けになればいいかなという軽い気持ちで、大道具係として志願しました。演劇もミュージカルも全く縁がなかったんですが、男性不足という理由で舞台に立つようになったりしました。
 その後、平成14年の国民文化祭を最後に町からの補助金がなくなり存続が難しくなりました。50名程いた関係者の大半は解散の意向で、私を含めた5名だけが続けるために残ることを決め、その際、自分が代表になりました。

10年間の活動状況

 町民ミュージカルから独立した時は心細かったです。でも、せっかく根付きかけているものをゼロにしてしまうと、再び立ち上げるのはもっと大変です。細々とでも火を消さないで継続しようと思っていたら、年々、規模が大きくなってびっくりしています。
 『ミュージカル劇団ゆめ』の第1回公演は、団員募集から始め、広報物は全て手作り、著作権の対応など知らず作者からクレームが来たりと手探り状態でした。何とか劇団を一人前にしようと思ってやってきましたが、年を追う毎に欲が出て、少しでも良い公演・劇団を創りたいと思うようになりました。代表という立場が、自分の考え方を変えてきたような気がします。

今後の展望

 劇団は地元に愛される存在でなければならないと思います。そうでなければ、地域に劇団がある意義がないと思うんです。地域になくてはならない存在になるためには、地域とつながり、活性化に寄与したり、人材育成をしなければならないと思います。だから『ミュージカル劇団ゆめ』は、公演をしていない時は地域に出かけ、ショート公演を行ったり、ボランティア活動をしたりしています。公演の時だけ観に来てもらうよう頼むのではなく、地域とのギブ&テイクが必要だと考えています。
 また公演が終わった後に、地域の観光や産業に影響を与えるような流れが必要だと思います。
 将来的には県内のミュージカル団体が連携し、ミュージカル連盟のような組織を作り、鳥取県で全国的なミュージカルイベントをしたいと思っています。島根県のミュージカル「愛と地球と競売人」の取組みのように、家族や人間関係を題材にした鳥取県を代表するような作品を創り、それを地元の指導者やスタッフで臨める体制ができれば、理想的だなと考えています。


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