とりアート2009(第7回鳥取県総合芸術文化祭)期間:平成21年9月19日(土)〜11月30日(月)場所:米子市公会堂、とりぎん文化会館、倉吉未来中心 ほか

新歌舞伎「名和長年」(一幕五場)作:幸田露伴 演出:石川耕士

 メイン事業「新・朝日座」の目玉として上演される新歌舞伎「名和長年(なわながとし)」は、文豪・幸田露伴(こうだろはん)が書き下ろし、初演時は長年役を現九代目松本幸四郎(まつもとこうしろう)の祖父である七代目が演じました。地元では初演となる「名和長年」は、本公演が44年ぶりの復活上演となります。演出には石川耕士(いしかわこうじ)氏を迎え、出演は地元の若手演劇人たちを中心に構成、客演として兵庫県立ピッコロ劇団の俳優を招き、絢爛豪華な鎌倉末期の時代絵巻を繰り広げます。

新歌舞伎の名作を復活!

石川 耕士

 『新歌舞伎・名和長年』の台本と演出を担当させていただき、嬉しく思っております。“新歌舞伎”は“新作歌舞伎”とは違います。“古典(江戸)歌舞伎”に欠けていた近代劇的ドラマ・ツルギーにも留意して、明治末〜大正ごろから書かれるようになったものです。本作は大正2年に書かれました。
 私がずっとお手伝いしてきた市川猿之助さんは「新歌舞伎は劇(ドラマ)としてはすぐれていても、江戸歌舞伎には豊かにあった“歌”と“舞”の要素に乏しいので楽しくないね」とおっしゃって、その部分を補った“新・新歌舞伎”を創出しました。それが“スーパー歌舞伎”なのです。
 猿之助歌舞伎の音楽スタッフに協力してもらい、今回の『名和長年』は音楽面で“古典歌舞伎”にやや近づけようと思っています。
 昭和40年以来44年間も上演されていなかった名作を、御当地で復活することができるは、本当に意義のある企画だと思います。



西部地区事業 いつもの「まち」で「文化」する!

 キラリ☆アートプロジェクトは、地域で活動するアーティストが、自らの企画力や運営力を養いながら、県民に魅力的な芸術文化の鑑賞機会を提供する事業で、3つの事業が公演に向け準備を進めています。今回は10月24日、25日に米子市淀江町文化センターで公演予定の『ミュージカル「梨の花は春の雪」』を紹介します。

 響子は娘の玲奈を連れ、東京から米子の山あいのまちに降り立った。梨農家の夫の父が病に倒れ、一足先に帰郷していた夫・晃弘によばれてやってきたのだった。
 そこの村は、山に囲まれた小さい集落。東京でのやりがいのある仕事を辞めてきた響子は、田舎での暮らしに不安を感じていた。
 こども同士のいじめや玲奈の家出という事件をきっかけに、晃弘の幼なじみ伸幸はじめ、一風変わった隣人たちに囲まれて、響子は少しずつ田舎の暮らしになじんでいく。
 偶然に亡き義母幸子の日記を見つけた響子は読み進むうちに義父母の歩んできた生活の重みやお互いを思う心情を知ることとなる。響子はなかば勢いで、義父の跡を継いで梨作りを始めると宣言。
 周りの人々とのつきあいの中で自分の居場所や新しい生き甲斐を見つけてゆく響子。
 豊かな自然と、今もなお生き続ける田舎の地域力を背景にたくましく生きる家族におとずれたものは・・・

問合せ先:鳥取県総合芸術文化祭実行委員会事務局(鳥取県文化観光局文化政策課内)


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