鳥取県芸術家百華Vol.5

山口市生まれ、鳥取市在住。
島根大学でヴァイオリンを学んだ後、愛知県立芸術大学に進学。
高校教諭を経て、鳥取大学に勤務。
現在、島根大学教育学部教授。主にヴァイオリン、ヴィオラの指導にあたる。

今月は、現在島根大学教授で、鳥取ジュニアオーケストラの指導もされている、永見信久さんをご紹介します。

音楽家への道

 もともと音楽が好きだった永見さんは、子供の頃からハーモニカなどおもちゃの楽器をたくさん持っていらっしゃったそうです。本格的に音楽の道に進まれるきっかけになったのは、小学校2年生のときクリスマスプレゼントでご両親にヴァイオリンを買ってもらったことなのだとか。永見さんは「僕は始めるのが遅くて」と言われますが、以来ずっとヴァイオリンやヴィオラを学ばれ、現在は大学で教鞭を執るなど指導者として長く音楽に携わっておられます。

オーケストラと室内楽

 このたび、10月に倉吉で開催される「アヴォスピアノ四重奏団コンサート」に関連して、オーケストラと室内楽(10名程度までの演奏を室内楽と言うそうです)の違いをお伺いしたところ、「オーケストラは指揮者のもと、指揮者の作りたい音楽に向かって演奏していくもの。聴き手としても、そのトータルの響きを楽しむのが、室内楽は一人ひとりが指揮者のようなところもあって、それぞれが自分の音楽を表現し、個々の楽器として音楽を作っていく。聴く側も、それぞれの楽器の音を聴き分けて鑑賞できる」とのことでした。

『音を聴く』ということ

 この「聴き分ける」ことに関しては、たびたび人間の聴覚の能力に触れ、人は、実に多くの音を聞き分けることができるとおっしゃっていました。確かに身の回りにはさまざまな音が溢れていますが、私たちはかなりの精度でそれぞれを違う音だと認識しています。その能力を発揮し、音楽も楽器の音色の違いを探すように聴くと、より深く鑑賞できるのでは、とのことでした。また、実際にホールで鑑賞すると、演奏者を見ていると次にだれがどんな音を出すのかが雰囲気で分かるなど、ライブの空気感を味わうことができ、ホールの響きを楽しめるのも生演奏ならでは、とのこと。やはり音楽を聴くなら断然ライブがおすすめなのだそうです。


| 目次にもどる| バックナンバー|

| 県民文化会館ホームページTOP | 鳥取県立倉吉未来中心ホームページTOP | 鳥取県文化振興財団ホームページTOP |