10月25、26日に開催する「アヴォス ピアノ四重奏団 コンサート」。この出演メンバー4人のうちの1人、ヴァイオリン奏者の山田美怜さんは倉吉市出身です。東京の音楽大学を卒業後、イタリアの音楽院に進学し、そこで出会ったメンバーとピアノ四重奏団を結成されました。
4人のメンバーは様々な個性をもっており、山田美怜さんは、リーダー的存在で常に完璧であることを求めます。ヴィオラのディアナ・ボナテスタさんは相手の動きを常に観察し、パート間の仲介的な役割を果たしています。チェロのアメデオ・チッケーゼさんは、グループ最年少の若さ(21歳)と新鮮なアイデアで四重奏に動きを与えており、ピアノのマリオ・モントーレさんは3人の弦楽器奏者を支える四重奏団の大黒柱的存在です。イタリア人特有のおおらかさを備え、細かいことにはこだわりません。こんな4人がリハーサルでは意見の違いで白熱した議論をしばしば展開し、それぞれのキャラクターの違いが刺激となって、より表情豊かな演奏を目指すエネルギーとなっています。
この四重奏団の成長の大きなきっかけとなったのは、アルバン・ベルク弦楽四重奏団第1ヴァイオリンのピヒラー氏との出会いでした。マイペースで学んでいたメンバーは、室内楽の基本的なテクニックをはじめ、各パート間への細かい音楽的指示、さらにはリハーサルの方法にいたるまで、ゼロから指導を受けました。4人が受けたショックは大変大きく、その後、室内楽に対する姿勢が変わっていきました。
そして、今年2月のヴィットリオ・グイ国際室内楽コンクール、5月のトリオ・ディ・トリエステ国際室内楽コンクールで最高位を受賞し、その成果を証明することができたのです。
プロの演奏家としてモデナの音楽事務所と契約を結び、8月にはオランダなどイタリア国外でも活動をするなど、今後の活躍が楽しみな4人です。 |