鳥取県芸術家百華Vol.4

5歳よりヴァイオリン、10代よりヴィオラを学ぶ。東京芸術大学修士課程終了。オーケストラアンサンブル金沢に在籍。他にNHK交響楽団はじめ多数のオーケストラ、室内楽に参加。又、桐朋学園音楽大学他2校で後進の指導にあたる。コンセール・マロニエコンクール弦楽器部門2位。ヤマハ・パルス楽器社ヴァイオリン講師。

米子市を中心に、ヴァイオリン、ヴィオラの指導をされている眞家さんにお話を伺いました。演奏中の情熱的な姿とは違い、穏やかな優しい笑顔が印象的でした

楽器を始めたきっかけ

 母親が言うには、私は手先が器用だったので楽器をさせたいと思い、3歳ぐらいから音楽に触れる機会を多く設けていたそうです。5歳の時に、盲目のヴァイオリニスト和波たかよしさんの特集をテレビで見て感動し、ヴァイオリンを習うことを自分で決めました。当時の感動はまだ覚えています。
 今までに何度も音楽をやめようと思ったことはありましたが、小さい頃からやっているせいか、自分を最も自分らしくしてくれるのは音楽なんですよね。音楽に助けられているなぁと最近実感しています。今は、「こんな音を出したい」「こんな演奏をしたい」という新たな目標が日々生れています。
 子どもに楽器を教えていると、すごく感じるのが、とても柔軟性が高く、直ぐにマネができるという点です。本人の興味さえあれば、小さい頃から楽器に触れておくのは大切なことだと思います。私も5歳から始めましたが、弦楽器に関しては、5歳でも遅いくらいです。

室内楽の魅力

 楽器はどれもそれぞれの特長があって好きです。ヴァイオリンは華やかだし、チェロはしぶい低音で支えてくれる安定感があります。ヴィオラは両者の中間で縁の下の力持ち的な調整力があります。一番ほっとできる楽器ですかね。
 学生時代には、仲間と一緒に毎日のように室内楽形式で演奏していました。ライブ感覚で演奏ができ、とても楽しいです。少人数なので音が鮮明で、仲間の呼吸やアイコンタクトで演奏を深めていくことができます。オーケストラは寄り添ってみんなで創り上げるイメージですが、室内楽はその場の雰囲気で変化していくことができます。
 ヴィヴァルディの『四季』は、今まで、何度も演奏しました。季節に合わせて演奏できるのがいいですね。とてもドラマティックで季節の情景が丁寧に織り込まれています。また、興味深いのが、イタリアの四季を表現してあるので、日本の四季の感覚とは少し違っていることです。春は小鳥たちの様子が明るく表現され、夏は重たいイメージですね。秋は収穫時期なので活気のある雰囲気、冬は厳しい情景になっています。聞き終わった時には、物語を読み終えた充実感を持てますね。


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