舞台さんのひとりごとVol.3

 先日古い小屋(芝居小屋)を見に、四国へ向かった。快適なドライブののち香川に到着、早速金丸座(香川県琴平町。金刀比羅宮門前町)に行き、建物や運営の様子を見聞した。人力に頼る仕掛けで、工夫と見方によってはからくりとも思える舞台機構を、地元の方たちが裏方スタッフとして協力して運営する姿を目の当たりにし、パワーを頂いた。その後金比羅山周辺を散策していたら「参拝はお済みですか?」の声掛けが多いのにびっくり。何かお土産でもと参道近くの店へ入り、店員さんに「ここは客引きが盛んですね」言うと「金比羅さん来られた方にこの地を自慢したいのが本音ですよ」とのことで、その後もお国自慢は続いた。私の中では水不足のイメージが強かった四国だが、地域の人々が自分の故郷を褒め称える生き方や、不便さを笑いに変え、地域力で強く生き抜くスタイルを、懐かしいと同時に新鮮に感じた。人間の素朴な心の尊さを思い出させてもらい、最高のお土産となった。

とりぎん文化会館 舞台技術室 竹中 裕二


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