鳥取県芸術家百華Vol.2

山陰の噺家として活躍中の桂小文吾さん

京都府京都市生まれ。現在米子市在住。
米子市児童文化センター落語クラブ講師。
NPO法人ひまわり倶楽部理事。

 これまでの経歴は波乱万丈。14歳の時、五代目桂文吾に入門し、15歳で六代目桂小文吾となります。宝塚若手落語会、三越落語会等への出演を重ねたのち、宝塚新芸座の一員として舞台や映画で活動されますが、昭和41年に芸界を引退。縁があり、鳥取のある会社に定年まで勤務されました。
 平成7年頃から落語家としての活動を再開され、山陰で小文吾流落語を広めるため、米子市の公民館などで落語会を開催。また、年に3回程、倉吉市西町の豊田家住宅での「桂小文吾落語会」、米子市児童文化センターでは、子どもたちに落語を教えるなど、落語の裾野を広げる活動に精力的に取り組んでおられます。

“子どもたちに落語を教えること”

 私は小学校の3・4年生くらいから、小噺をつくっていました。最近の子どもたちにはそれが難しいようです。1つのものから想像を膨らます、ということが苦手な子が多いように感じます。湯のみを例に挙げたとします。湯飲みは、丸い形をしている、底は平らになっている、など、説明すると色々出てきます。噺は、場面を設定して、会話を考える、という想像力を働かせる部分が大切なのですが、実際、湯のみについてあれこれと思いつく子は少ないです。
 私が落語を教えることで、子どもの日本語に対する興味が高まったり、想像力を養っていくことに繋がれば、と考えています。

“鳥取で落語をするこだわり”

 これまでに、『日野川の河童取り(ひのがわのかっぱとり)』や『大山烏天狗(だいせんからすてんぐ)』『山陰太平記(さんいんたいへいき)』という鳥取県にちなんだ作品をつくりましたが、これからも新しい落語をつくっていきたいという思いがあります。鳥取の民話をもとにした作品ですね。それを山陰から発信していければと考えています。
 また、今の若い人たちが聴いてもわかるような作品もつくりたいですね。そのためにも、20代くらいの若い子たちが何を考えているのかも知りたいし、話を聞きたいので、積極的に交流していきたいと思います。

 豊かな人生経験が生み出すエネルギーと、笑顔が素敵な小文吾さん。NPO法人ひまわり倶楽部企画・製作のCD「小話人生 米子だんだん」では、作詞・作曲も手がけ、落語の普及につとめています。ぜひ一度聴いてみてください。


| 目次にもどる| バックナンバー|

| 県民文化会館ホームページTOP | 鳥取県立倉吉未来中心ホームページTOP | 鳥取県文化振興財団ホームページTOP |