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リレーコラムvol.8 「芸術」に親しむ(財)鳥取県文化振興財団 理事 白石 由美子

 爽やかな5月、今から40数年前、高校に入って初めての家庭科の授業でF先生は突然黒板に「美とは何ぞや?」と書き、しばらくして「人間の五感に訴えて快なるものこれすべて美なり」と書かれた。「美」には理屈がない。快いと思えば何だって「美」となるのだ。15歳の私は妙に納得したものです。私たちはいつでも多くのあらゆる種類の「美」を体感し、享受することができます。
 では「芸術」は?国語辞典には「美を表現する人間の活動と、その結果できあがったもの、絵、彫刻、音楽など」と書かれています。人間がかかわることによってのみ成り立ち、個人的なものではなく、多くの人が認めることによってその価値が高まるといっても過言ではありません。「芸術」は「美」を包括するものです。
 平成13年の「文化芸術振興基本法」施行以来の様々な施策により、国民が芸術・文化に触れる機会は増加しました。しかし本当にそうでしょうか、「芸術」は待っていても訪れません。自らが求めて初めて触れることができるのではないでしょうか。不況が直撃してクラシック音楽業界に様々な影響が生じていると聞きます。文化的な活動は一度途絶えると再建は困難です。このような時期だからこそ長年の歴史の中で人々が創り上げた「芸術」に親しみ、豊かなひとときを過ごすことに意味があると思います。ぜひ会場に足を運んでみてください。



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