鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2008年8月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

鳥取県演劇連盟公演

『こんにちは、母さん』芝居を上演するために

鳥取県演劇連盟会長 本城美佐子

 70過ぎた母さんが使っている古タンス、50になろうとする息子が小学生の時から使っていた古机、懐かしい卓袱台。戦時中の飯ごう・水筒、昔遊んだ面子。などなど…。台本に書かれた大道具・小道具を求めて上演を決めたその日から古いもの探しが始まります。電話の音、雨の音など効果音の調整。今回の音響の主役はビートルズです。休憩挟んで2時間50分。6月1日2回目の公演の幕が下りました。3日かかって作り上げた舞台は終演後1時間で見事になくなりました。
 「母のこと、父のこと、夫のこと、息子のこと。一番身近な人のことを本当に知っているのだろうか」本気で話し合うことの少なくなった今を捉えて、老いの問題、戦争の残したもの、リストラなど、等身大の様々なテーマが、観る人それぞれに感じ取れるように、笑いと涙の中に誰でも共感できる内容をわかりやすく伝えることが出来ました。
 演劇連盟加盟の劇団にとどまらず、鳥取で活動する演劇人たちが補いながら協力して、今回のような大作が上演可能となりました。舞台に乗るのは役者だけですが、裏を支える大勢のスタッフにも恵まれ、又一つ輪が拡がって演劇の持つ魅力を実感することが出来ました。

能楽 鳥取県

曲連合会の活動

県謡曲連合会事務局長 長本喜夫

 私たち謡曲連合会は、市や県の文化祭はもとより国民文化祭への出演も常に一緒に行動、出演をしています。
 今年は「源氏物語」の千年紀に当たりますので、各流が源氏物語に因んだ曲を選んで上演することにしています。本年、国民文化祭は茨城県で開催されるのですが、プロの模範演能の県内鑑賞のみで一般参加者の発表会は無いとのことですが、隣県の千葉県の大変な肝いりで、自主的な発表会「能楽交流会ちば2008」が催されることになりました。折角の国民文化祭の機会に各県からの参加の発表会が無いのは大変残念な事であり、茨城県や文化庁の対処に大変な疑問を持って居りますが、とにかく十数県の参加による自主的な催しが出来ることは喜ばしいことであると思っています。
 各県の有志の文字通り自主的な参加で、すべて個人負担での催しなのに、千葉県外から70人を超える参加があり、合計で150人からの会で、皆の意欲がうかがえるすばらしい催しになるものと思われます。

鳥取県ピアノ指導者協会

黒田亜樹先生公開レッスンレポート

事務局 新田恵理子

5月25日日曜日、午後1時30分から5時まで、倉吉交流プラザ 視聴覚ホールにおいて、黒田亜樹先生によるピアノ公開レッスンとミニコンサートを開催いたしました。黒田先生はイタリアミラノ在住の国際的なピアニスト、そして指導者です。レッスンを受講したのは小1から中3までの6名の生徒さんです。それぞれの受講者へ今最も必要であると思われるワンポイントアドヴァイスに加えて、技術を高めるための基本的な練習方法や、曲の書かれた背景についての興味深いお話に、ピアノ指導者や生徒さんなど80名の聴講生は熱心に聞き入りました。そして圧巻は彼女のミニコンサート♪ ピアノの弦に真珠のネックレスを置いてチェンバロ風な音を響かせるバロック曲の試奏に始まり、子ども達のよく勉強する曲を多彩な音色と豊かな表現力で次々に弾いてくださいました。最後にエネルギッシュでおしゃれなロックヴァージョン「くるみ割り人形 序曲」の熱演をプレゼントしていただき、満員の聴講生大満足の楽しく有意義な講座となりました。

鳥取県美術家協会

金 永太「美術講演会」を終えて

鳥取県美術家協会副会長 小谷悦夫

 去る4月19日(土)、米子ワシントンプラザに於いて、鳥取県美術家協会・県文化団体連合会主催による美術講演会が開かれました。講師に韓国光州出身の画家・金永太先生をお招きし、『韓国美術界の現状と私の日韓美術交流』と題して約1時間に亘り、流暢な日本語で講演して頂きました。会場にはおよそ90名の会員と熱心な市民が駆け付けて耳を傾けていました。金先生は、絵画に国境はない、交流を通じて学び合い、広く文化国際交流を深めていくことでお互いの美術の向上につなげたいと、豊富な自身の体験を交えて熱っぽく語られました。人前で話すことで自ら学ぶのだと謙虚に語っておられました。
 81歳にしてかくしゃく、現在もなお創作意欲旺盛で、制作のために世界各地を飛び回っておられます。とりわけ大山は先生の大好きなアトリエであり、「春には仲間を連れてまた来るよ」と言い残して帰国されました。

鳥取県文化団体連合会加団体一覧

舞台(19団体)

鳥取県民踊指導者連盟、鳥取県合唱連盟、鳥取県演劇連盟、鳥取県オーケストラ連盟、鳥取県吹奏楽連盟、鳥取県日本舞踊連合会、鳥取県和太鼓連盟、県民による「第九」公演実行委員会、鳥取県洋舞連盟、鳥取県謡曲連合会、鳥取県詩吟連盟、鳥取県三曲協会、鳥取県民謡連合会、鳥取オペラ協会、鳥取音楽座、とっとり人形劇連絡会、鳥取県ボールルームダンス連盟、鳥取県ピアノ指導者協会、鳥取県民話サークル連合会

展示(6団体)

鳥取県美術家協会、鳥取県陶芸会、鳥取県書道連合会、鳥取県デザイナー協会、鳥取県写真家連盟、鳥取県七宝協会

文芸(3団体)

鳥取県歌人会、鳥取県川柳作家協会、鳥取県俳句協会

市町村(16団体)

鳥取市文化団体協議会、倉吉文化団体協議会、米子市文化協議会、境港市文化協会、河原町文化協会、用瀬町文化団体連絡協議会、気高町文化協会、鹿野町文化団体連絡協議会、青谷町文化協議会、湯梨浜町文化団体協議会、三朝町文化団体連絡協議会、北栄町文化団体連絡協議会、琴浦町赤碕文化協会、日南町文化協会、日野町文化団体連絡協議会、江府町文化協会

県域文化団体 28 団体、市町村文化協議会 16 団体、合計 44 団体 

書道

第34回師任堂韓日国際交流展に参加して

県書道連盟事務局長 岩田輝代

 5月23日午後3時、私たち訪韓団七名は少し霞がかった仁川空港に降り立った。作品集30冊を抱えて春川市に到着、その日の晩餐会では芸総の方々によるテジカルビのおもてなしに団員一同「これが本場の焼肉かー!」などと舌鼓を打った。日本からは因幡の傘踊りの民芸傘を持参したが、きらびやかな色合いが好まれた様であった。翌朝、センスの良い春川国立博物館第一企画室に於いて崔池洵芸総会長はじめ江原道知事夫人、美術協会道支会長、江原道書学会長の出席を得、華々しく開会式が行われた。鳥取側30点韓国側43点の作品が出品された。韓国の書作品は美術協会に属し絵も書もという人が多いようである。お国柄か実直な書が多いと感じた。会場では揮毫を両国五名ずつで行ったが、雲鶴団長の「福寿」が全紙に書かれ落款が終わるやいなや拍手が湧き起こり、先生の書きぶりに大層感動した風であった。それぞれの作品、釈文、感想が披露され無事終了した。

平成20年度 事業

1.鳥取県文化団体連合会主催事業補助金
各県域文化団体が行う事業の実施に要する経費の一部を補助し、特色ある地域文化の振興を図る。
2.芸術たしなみ講座
舞台、展示、文芸、市町村の各分野別団体が協働で初心者のための芸術入門講座を開催し、地域における文化活動の活性化と加盟団体間の更なる交流と連携を図る。
3.アートマネジメント研修会
連合会の自主的な運営と活性化に向けた取り組みの一環として、会員及び県民を対象にしたアートマネジメント研修会を開催する。
4.鳥取県文化振興財団情報誌
「アルテ『とりかるねっとコーナー』」掲載
連合会の活動を県内外へ発信するため、鳥取県文化振興財団情報誌「アルテ」に年4回『とりかるねっとコーナー』を掲載する。(今年度は8、10、11、1月です)
5.機関誌「鳥カルだより」の発行
会員相互の情報交換・情報発信を活性化させるため、機関誌を年1回程度発行する。

緊急告知!!

20年度第1回目のアートマネジメント研修会を、演出家、鳥の劇場主宰の中島諒人さんを講師にお招きして開催いたします。是非、是非お越しください。
入場無料!!

日時…平成20年8月31日(日)午後2時〜3時30分
場所…米子市児童文化センター(湊山公園内)
内容…演劇活動が「みんな」のものであるために―鳥の劇場の試み



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