鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2008年06月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

インフォメーション

大蔵流狂言師茂山千作(人間国宝) 古典芸能においては「基礎・型」いわゆる基本的な台詞回しや歩き方は、日々稽古の積み重ねであり、重要ではあるものの出来てあたりまえなこと。そのうえで、舞台のそして観客の乗っていく状況に応じて、表現に緩急をつけたり、他の役者との絶妙な間をつくっていくのです。昨日の舞台が、今日の舞台と同じではないのがまさにこの理由。人間国宝の茂山千作(せんさく)はこのようなことを「みはからいで舞う」と呼んでいます。
 このたび、茂山千作が満を持しての米子初公演。曲目は「魚説経」。漁師が魚を殺生するのが嫌になり出家します。都にのぼる旅の途中、説経をお願いされますが、俄(にわか)坊主のため窮地に立たされます。そこで、魚の名前を並べて説経のようにとりつくろっていく、というストーリー。出てくる80もの魚の名前を、いかに説経らしく流暢にきかせるか、また相手役の檀家にとがめられてもなお、魚の名前で対応する出家、そのやりとりを千作がどう演じるかが実に楽しみです。
 ほかには、京極夏彦作の新作狂言「狐狗狸噺」、千作の弟・千之丞(せんのじょう)がはまり役の「豆腐小僧」を熱演します。
 法哲学者であり能楽評論家でもある土屋恵一郎氏はこう言っています。
「天才には一つの罪があり、その芸を見てしまった者に、それこそが狂言であるという思いをいだかせる。しかし、見たことを後悔する者は一人としていない。天才である茂山千作の狂言を見ることは、なにごとにも代えがたい幸福だ」と。ぜひ、ご覧あれ。(参考文献:狂言三人三様「茂山千作の巻」野村萬斎、土屋恵一郎 編 岩波書店)


昨年の公演「佐渡狐」より

共同主催:財団法人米子市教育文化事業団
助成:ごうぎん鳥取文化振興財団

  妖怪狂言 〜茂山一門の世界〜
茂山千作、待望の米子到来!!

◆狂言解説
◆狐狗狸噺(こくりばなし)
◆魚説経(うおぜっきょう)
《出家:茂山千作(人間国宝) 檀家:茂山七五三》
◆豆腐小僧(とうふこぞう)
※都合により配役が変更となる場合がございますのでご了承ください。
■日時/2008年8/17(日)
開場13:30 開演14:00 終演(予定)16:00
■会場/米子市公会堂
お問合せ先:とりぎん文化会館(0857)21-8700


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