鳥取県民文化財団情報誌 アルテ
2007年8月
アルテとはスペイン語で「芸術・美術・技巧」などの意味で、英語では「アート」。アルテでは、県民文化会館をはじめ鳥取県内の文化施設のイベント情報を紹介しています。

ギター演奏の受容史
今年は中部ゆかりの「淀屋」と「里見八賢士」の2本立てでいきます! 

昨年西部地区の「平成の芝居小屋『朝日座』事業」を中心に盛り上がった総合芸術文化祭。今年は中部ゆかりの文化資源である「淀屋」と「里見八賢士」をテーマとした二つの物語が盛り上げます!


見どころ「淀屋の世界」

 「淀屋」と言えば、「天下の台所・大坂」を繁栄に導いた最大の功労者。江戸時代のはじめ、大坂のまちに米市を開き、また湿地だった中之島を造成して「淀屋橋」を架けるなど、商都・大坂の基礎を築いた巨商でした。その強大な財力と権力が仇となり、5代・廣当のときに幕府によって闕所(財産没収)の憂き目に遭いますが、倉吉出身の先代番頭である牧田仁右衛門の働きによって、倉吉の地に密かに暖簾を繋ぎ、江戸時代の半ばには大坂で再興するに至ったと言われています。
 近松門左衛門の世話物浄瑠璃「淀鯉出世滝徳」(よどごいしゅっせのたきのぼり)の題材ともなった「淀屋」の物語を「立体講談」という新しいスタイルで舞台化します。


石上瑠美子さん 「淀屋の世界」演出・脚本・講談指導・出演
 

今回の「淀屋」は宝探しがテーマです。地域の魅力、自分の可能性、人と関わる楽しさを、発見?確認?何でもあり!地元でも、まだまだ知られていない淀屋を、講談仕立ての芝居初挑戦のキャストが宝探しの旅(公演)に出発します。そのキャプテンを務める事になりました。楽しい舞台にしますよ!乞うご期待!

大西瑞香さん 「淀屋の世界」音楽監督・演奏
 

舞台の雰囲気を盛り上げる効果音として、和楽器の持つ音の特性を生かし、時代・情景・登場人物の心象などを表現します。講談によるストーリーが進行していく中、いかにタイミング良く効果音を入れていくかがこの舞台のカギとなります。和楽器の音色に彩られた立体講談を、是非お楽しみください。




見どころ「八賢士の世界」

 滝沢馬琴の読本「南総里見八犬伝」は里見家で飼われていた神犬八房の気に反応して伏姫が生んだ八犬士の物語。その八犬士のモデルの一つとされるのが伯耆国倉吉藩に流された里見忠義の八人の忠臣・八賢士です。江戸時代のはじめ、安房国の大名里見忠義は、幕府の権力争いに巻き込まれ、倉吉藩に改易されてしまいます。29歳の若さで最期を遂げた忠義の死から三ヶ月、8人の家臣が主人の後を追いました。主従が葬られた大岳院の住職はその法名のすべてに「賢」の一字を授け、彼らを讃えたと言います。
 倉吉出身のプロミュージシャン門脇大輔さんによる音楽が「八賢士」の物語を彩ります。
 県内の文化活動者と一流の舞台人が出会い、創造する二つの世界。ご期待ください。

門脇大輔さん 「八賢士の世界」演出・音楽監督・演奏
 

故郷にまつわる物語…それを語る時に、故郷をテーマにした『音楽』は必要不可欠。
一つの芸術を作り上げるのに必要な大切な素材なのだ。今回それを地元の演奏家たちと共に表現することで、八賢士の魅力溢れる世界が、よりストレートに皆様の心に伝わると信じている。期待していてほしい!!

大和屋かほるさん 「八賢士の世界」構成・脚本
 

里見忠義と彼の死後殉死したといわれる八人の忠臣たち。残された資料には、国替後の忠義が倉吉で何をしたのか、家臣たちはなぜ殉死したのか、詳細は記されていません。しかし芝居はお勉強ではありません。史実をベースにどこまでフィクションが入り込めるか、劇作家の挑戦です。里見忠義様、いったいあなたは何者なのですか?



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